伝わる商品写真の戦略|ECで調理器具を売るなら「使い方」が鍵
目次
調理器具のEC販売に効く、「使っている様子」を伝える撮影戦略とは?
ECで調理器具を販売する際、商品写真を掲載するだけでは購買につながりにくいことがあります。特に中小の食品・キッチン系ECでは機能や価格の比較だけでなく、「どのように使えるのか」「使っているとどんな気持ちになるのか」を想像させるビジュアルが購買の後押しになります。
この記事では、調理器具を扱うEC担当者の視点に立ち、「購入ハードルを下げ、記憶に残る」ための撮影・ビジュアル戦略について、専門的根拠を交えて解説します。
なぜ「使い方」を伝える写真が売上に直結するのか
調理器具は、スペックや素材の詳細だけでは差別化が難しく、実際に使っている様子が顧客の購買動機になります。たとえば:
- 忙しい朝でも片手で使えるハンドブレンダー
- 手元に油が飛ばないフライパンの深さ
- 料理の途中に片手でフタが開く保存容器

これらの魅力は、機能説明よりも「使っている様子」の可視化によって伝わります。
消費者心理において、「自分の生活での利用シーンを想像できる」ことは購買行動の大きな決定要因になる
(参照:商品写真が購買意欲に与える影響に関する研究(ResearchGate))。
「使っている様子」を伝えるにはどう撮るべきか?
1. 人の手を写す
製品単体ではなく、誰かが実際に使っている手元を写すことで、一気に生活感が出て「自分ごと化」されます。
人物の身体の一部(手や顔)が入ることで共感や視線の誘導が強まるという研究もあります
(出典:商品写真とEC購買判断の関係(ResearchGate))。
2. 背景にリアルなキッチンを
生活感を出しすぎず、整えられた“理想のキッチン”の中で使用する構図にすることで、ブランディングと共感を両立できます。
3. 機能を映像で伝える
調理器具の動きやスピード、音などは写真だけでは伝わりません。SNSでよく見られるように15〜30秒程度のショート動画で「開ける→注ぐ→しまう」など一連の流れを見せることがCVR向上に直結します。

参考:HubSpot|The HubSpot Blog’s 2024 Video Marketing Report
写真1枚が売上を変える──EC販売に効く具体例
調理器具を取り扱うある中小ECサイトでは、以下のような工夫をされています。
- 商品単体写真 → 手元+キッチン背景で撮影
- 無機質な白背景 → 実用中のイメージカットへ変更
- 「使っている様子」動画をリールやLPに埋め込み
結果としてLPの直帰率が改善したそうです。これは「欲しい」ではなく、「自分にも使える」という確信が行動につながった好例です。
撮影の内製化では難しい“伝わる”ビジュアル
スマートフォンでもある程度の商品写真は撮れます。しかし、伝わる世界観やライティング、構図を整えるには、やはりプロの手が必要です。特に以下のような場面ではプロ撮影が強みを発揮します:
- リール動画やSNS広告で印象を残したい
- 新商品ローンチで話題性を作りたい
- ブランディングの一貫として世界観を統一したい
It’s C time では、調理器具やスイーツを中心としたEC向け商品撮影を専門に行っており、使用シーンのスタイリングから撮影・納品までを一貫してサポートしています。
国際的なフードフォトコンペティション「Foodelia International Food Photography Awards」に選出された経験を持つフォトグラファーが担当しており、視覚的に訴求力のある写真をECに最適化した形で提供しています。
▶ Foodelia掲載ページを見る
まとめ|調理器具の魅力は“使い方”で伝える
調理器具のEC販売では、「物」そのものよりも“使っている姿”をイメージさせることが購入の鍵となります。
商品力に自信があるならこそ、それを正しく伝える「見せ方」に投資をしましょう!

名古屋の飲食業界で商品開発や販促に15年携わる。現在はスイーツECを展開しつつ、飲食・EC向けに撮影を通じたビジュアルマーケティングを支援。
食と空間の魅力を引き出すためのブランディングや販促のヒントを発信中。