スマホでもOK!EC向け動画撮影のライティング&背景セットの基本
目次
はじめに:スマホでも「売れる動画」は撮れる
ECサイトやSNSでの商品販売において、動画の重要性は年々高まっています。
とくに最近ではスマートフォンひとつで手軽に動画コンテンツを制作し、自社の商品をより魅力的に見せる企業も増えています。
しかし、「なんだかチープに見える」「うまく雰囲気が出ない」といった悩みを抱えるEC事業者も少なくありません。
その原因の多くはカメラの性能よりも、ライティング(照明)と背景セットにあります。
本記事では初心者でも実践できる「スマホで映える動画の基本セット術」を、機材・配置・演出の観点から解説します。
1. ライティングの基本:自然光+補助光で勝負する
自然光の取り入れ方
撮影に最も手軽で効果的なのは「自然光」です。
おすすめはやわらかい自然光を利用すること。窓のそばに撮影スペースを作り、逆光や強すぎる直射日光は避けましょう。
- 商品に横から当たる“サイド光”が基本
- レースカーテンやトレーシングペーパーで拡散するとやわらかくなる
- 撮影台の上に白いボードを置くと“レフ板効果”で明るく映る

スマホ用ライトの使い方
天候や時間帯によって自然光が不安定なときは、スマホ用のLEDライトを活用しましょう。
以下のポイントを押さえることで、安価でもクオリティの高い撮影が可能になります。
- 色温度調整できるライトを選ぶ(自然光とバランスが取れる)
- 2灯を使い、斜め左右から照らすと立体感が出やすい
- 商品の影が強すぎる場合は、紙や布で光を拡散する
2. 背景セット:印象の7割は「背景」で決まる
ブランドに合った背景選び
背景はただ「白ければOK」ではありません。
無機質な白背景は清潔感がありますが、ブランドや商品の世界観によっては逆効果になることも。以下を参考に、商材と背景の相性を見極めましょう。
商材 | おすすめ背景 |
---|---|
スイーツ・雑貨 | くすみカラーの布・木目・大理石調 |
アパレル | 無地の布・自然素材・ドレープ布 |
キッチン用品 | 調理シーンを演出できる台や天板 |
背景ボードと100均アイテムの活用
撮影専用の背景ボード(PVCや発泡スチロール)も手軽に使えます。
さらに100円ショップやホームセンターで揃う「背景素材」も豊富に活用できます。
- リメイクシート(木目調・タイル柄など)
- フェルトや布(やさしい雰囲気に)
- すのこやトレイを背景の一部に使うと奥行きが出る

3. セット全体のレイアウトと配置テクニック
被写体との距離感
スマホで撮影する場合、カメラが近すぎると歪んで見えることがあります。
背景と商品、カメラの距離を下記のように取ると自然な映像になります。
- 商品と背景:30〜50cm
- 商品とスマホ:40〜80cm
三脚と真俯瞰・斜め撮影の違い
手ブレを防ぐためにはスマホ用三脚が必須です。
とくに料理や商品の真上から撮る「俯瞰撮影」にはアーム付き三脚が便利。
シズル感や立体感を出したいときは、斜め45度くらいの角度がおすすめです。
4. 撮影アプリと設定の簡単なコツ
無料で使えるおすすめアプリ
- iPhone標準カメラ:明るさを指で調整可、自然な色味
- Blackmagic Camera:映像業界では有名なBlackmagic社のカメラアプリ。
- CapCut:文字入れ・エフェクトも簡単
設定で差がつくポイント
– 露出:白飛びを避けるため、少し暗めを意識
– フォーカス:被写体をタップして固定
– グリッド表示:構図が安定し、商品が中心に来る

5. よくあるNG例と改善ポイント
- NG:天井の照明だけで撮影 → 陰影が不自然、色が黄ばむ
- NG:背景が生活感ありすぎ → 雰囲気が崩れる
- 改善:不要物を除き、1カット1目的を意識する

まとめ:高価な機材より「基本セット」が売上を変える
スマホひとつでも照明と背景を工夫すれば、驚くほど見栄えの良い商品動画が撮影できます。
EC事業においては商品写真だけでなく、動画でも「買いたいと思わせる空気感」を作ることが購買率アップに直結します。
まずは一つ、自然光で背景と照明を意識して撮ってみてください。
一歩踏み出すだけで、ブランドの印象もぐっとプロフェッショナルに変わるはずです。
▶ EC向け商品撮影サービスの詳細はこちら

名古屋の飲食業界で商品開発や販促に15年携わる。現在はスイーツECを展開しつつ、飲食・EC向けに撮影を通じたビジュアルマーケティングを支援。
食と空間の魅力を引き出すためのブランディングや販促のヒントを発信中。