「いいね」で終わらせないSNS投稿|行動につなげるブランド運用の実践ガイド──
SNSの運用において、「いいね」やフォロワー数といった数値指標は目に見える成果として捉えられがちです。
しかし、それらの指標が実際の購買やサービス利用といった“行動”に結びついていないとしたら、
その運用は本当にビジネスの成果に貢献していると言えるでしょうか。
この記事ではブランドアカウント運用において多くの企業が直面する3つの課題=“壁”を整理し、
その打ち手をプロの視点から実践的にご紹介します。
目次
音声でもわかりやすく解説しています。
移動中や作業の合間などながら聞きにどうぞ。
壁1:エンゲージメントが高いのに行動に結びつかない
──現象
投稿には「いいね」やコメントが集まるものの、実際のサイト訪問や購入にはつながらない。
多くのブランドがここで「何かが足りない」と感じています。
──打ち手:意図的な“行動設計”を仕込む
- 目的を明確にしたCTAの設置:「詳細はこちら」ではなく、「◯◯の活用法を見る」など、行動の文脈を具体化
- ストーリーズやハイライトの導線強化:投稿単体で完結させず、複数コンテンツを連携させて情報遷移を自然に促す
- リンク環境の最適化:プロフィールリンクにLinktree等を活用し、目的別導線を明示的に設計する

壁2:投稿のトーンがブランドの世界観と乖離している
──現象
投稿内容がバラついており、ブランドの印象が伝わらない。
ユーザーに「何を大切にしているブランドか」が伝わらず、記憶や信頼につながらない。
──打ち手:ブランド“文脈”を起点に投稿を設計する
- ビジュアルとコピーのトーンを統一:配色・構図・言葉遣いの整合性は、視覚と感情の整合性でもある
- ブランドの価値観を“日常”に落とし込む:商品やサービスのスペックではなく「なぜ存在するのか」を見せる投稿に
- コンテンツテーマの軸を明確にする:週・月単位での“投稿テーマ軸”を決めておくと、世界観にブレが出にくい

壁3:フォロワーが増えてもアクティブユーザーが定着しない
──現象
数字上はフォロワー数が増えているが、投稿への反応や滞在時間が伸びない。
一見成果が出ているように見えるが、実際は「見られていない」状態。
──打ち手:ユーザーとの関係性を“構築”する
- インタラクティブ設計の導入:アンケート・質問・投票など、反応を促す仕組みを仕込む
- UGC(ユーザー生成コンテンツ)の活用:ユーザーの声・使用シーンを取り込むことで、共感と巻き込み力を高める
- 投稿のタイミングとペースを再設計:インサイトから導き出される「反応の高い時間帯」への最適化

実践例:@its_c_time の取り組み
僕のInstagramアカウント @its_c_time では、
上記の課題に向き合いながら、日々投稿の改善を行っています。
とくに成果が大きかったのは、投稿ごとに明確な意図と導線を設計したこと。
たとえばストーリーから投稿へ、投稿からLPへという一貫した導線設計と、ブランドのトーンに合った視覚表現を積み上げることで、反応の質とコンバージョンの両方が大きく改善しました。
まとめ:SNS運用は「伝える」ではなく「動かす」へ
SNSの価値は単に投稿を見てもらうことではなく、
その先の行動を設計することにあります。
- 行動に結びつくCTAの設計
- 世界観を伝える投稿トーン
- アクティブな関係性づくり
これらを意識することでSNSは「ただの広報」ではなく、ブランドの価値を体験させる強力な接点へと進化します。
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投稿戦略におけるビジュアル設計や導線設計にお悩みの方は、「世界観」と「行動設計」を両立させたEC向け撮影プランもご検討ください。

名古屋の飲食業界で商品開発や販促に15年携わる。現在はスイーツECを展開しつつ、飲食・EC向けに撮影を通じたビジュアルマーケティングを支援。
食と空間の魅力を引き出すためのブランディングや販促のヒントを発信中。