Amazon用の商品写真の注意点|売上を左右する“1枚の質”を徹底解説
Amazonの商品ページにおいて、最も強い影響力を持つ要素が「商品写真」です。検索一覧でユーザーが商品をクリックするかどうか、その後ページを読み進めて購入に至るかどうか。いずれも “最初の1枚” と “写真全体の情報設計” によって大きく変わります。
自社ECサイトやAmazonでは写真のクオリティがそのまま「売り上げ」「レビュー評価」「返品率」に直結します。だからこそ、ガイドラインに適合することはもちろん、ユーザーの購買心理を踏まえた写真づくり が欠かせません。
この記事ではAmazonの商品写真で必ず押さえるべき注意点を、メイン画像・サブ画像・撮影・編集・データ管理 の5つに分けて詳しく解説します。
目次
1. メイン画像(白背景)の注意点:最重要ポイント

メイン画像は、Amazonが最も厳しく審査する部分。これが基準に満たないと、検索に表示されなかったり、画像が差し替えられたり、最悪の場合は出品停止のリスクもあります。
① 背景は完全な白(RGB 255,255,255)
Amazonの規定では「純白背景」が必須。ほんのわずかな影・色かぶり・床面のグラデーションもNGとされることがあります。AIでの自動判定のため、白に“見えても”実際のRGB値が255でなければ弾かれるケースもあるため、Photoshopで必ず数値確認しましょう。
■ NG例
- グレーっぽい白
- 影が濃く落ちている
- 壁と床の境目が見える
- 光のムラがある
② 商品以外の要素は一切入れない
メイン画像では商品以外の要素はほぼ禁止です。
禁止例:
- テキスト(SALE / 限定 / 新発売)
- ロゴやブランド名
- イメージ背景(木目・布・室内)
- 装飾アイテム
- 人物・動物
“商品の本体”を正確に伝えることが目的であり、視覚的な演出や世界観はサブ画像で行うのが鉄則です。
③ 枠内の85%以上を占めるように構図を調整
商品が小さく写っていると “見た瞬間の情報量” が不足してスルーされます。逆に大きすぎても切れたり、圧迫感が出て審査落ちすることがあります。推奨されるのは「余白15%ほど」「商品が中央に配置」というバランスです。
④ 質感や形状が一目で伝わる角度を選ぶ
メイン画像は“単純な正面カット”だけとは限りません。商品によっては
- 斜め45度
- 立てかける
- わずかに角度をつける
ほうが立体感や機能性が伝わる場合もあります。最も形状が伝わる角度は何か?を必ず検証しましょう。
⑤ カラーバリエーションは別画像にする
メイン画像で複数の色を並べるのはNG。1色1SKUで登録する商品の場合、色が写り込んでいるだけで審査に引っかかることがあります。
2. サブ画像(追加画像)の注意点:伝える順番が売上を決める

サブ画像は比較的自由度がありますが、情報を詰め込みすぎると逆効果。ユーザーが知りたい情報を「5〜7枚に論理的に配置する設計力」が売れるページの条件です。
① 1枚につき“1メッセージ”に絞る
よくある失敗が「1枚の中に情報を入れすぎる」というもの。
NG例:
- テキストが多すぎて読みにくい
- 写真が小さい
- シーン説明と機能説明が混在している
1枚で伝えるべきは1つだけに絞ると、読みやすさ・理解しやすさが飛躍的に上がります。
② 推奨される順番
- メイン画像
- 使用イメージ(実際の生活シーンでの利用)
- 商品の機能・特徴
- 素材やディテールのアップ
- サイズ・寸法/スペック
- バリエーション(カラー・セット内容)
- ベネフィット(他商品との比較など)
ユーザーの理解ステップに沿った構成にすると、離脱率が下がり、そのまま購買につながりやすくなります。
③ 過度な誇張表現はNG(法的にも危険)
- 「世界No.1」
- 「絶対に痩せる」
- 「どこよりも最安値」
といった誇張表現はAmazonの規約違反であり出品停止のリスクが高いです。数字・第三者の結果・客観的なデータなど根拠のある訴求 にすることで信頼度も上昇します。
④ 生活感のある写真は効果的だが“清潔感”が最優先
特にキッチン用品・食品系で見落としがちなポイントです。家の生活感が強すぎると、自宅で撮ったような安っぽさが出て購入意欲を下げます。ポイントは「生活感は出しつつ、生活臭は出さない」という絶妙なバランスです。
3. 撮影時の注意点:Amazonは“正確性”を最も評価する
自由な世界観づくりができる楽天やInstagramと違い、Amazonでは「実物より良く見せすぎない、だけど魅力は最大化」という、非常に繊細な撮影バランスが求められます。
① ライティングは影を抑え、形状を明確に見せる
Amazonではコントラストが強すぎると安っぽく見える傾向があります。特に白背景において影が濃く出ると審査NGの可能性も。
理想は
- ソフトな光
- 均一なライティング
- 影がほんのり落ちる程度
です。
② 色が正確であることは“返品率”に直結する
Amazonは商品が届いた瞬間のギャップでレビューが左右されます。
- モニターによる色転び
- ホワイトバランスのズレ
- レタッチ時の彩度過多
これらはクレーム・返品率アップの原因です。プロによる撮影は必ずと言ってもいいほど撮影段階でグレーカードを使用し正確なホワイトバランスを計測します。自社で撮影する場合も色の再現精度をしっかりと確保しましょう。
③ 素材感や質感を丁寧に表現する
特に以下の商品は質感表現が売上に直結します。
- 金属(ステンレスのヘアライン・鏡面)
- テキスタイル(布・革)
- プラスチック(透明度)
- 料理・食品(みずみずしさ・表面の光)
素材ごとに光の当て方が異なるため、都度セットを変える必要があります。
④ “カテゴリーの売れ筋” を必ず研究する
Amazonはトップ商品がカテゴリごとに “勝ちパターンの写真” を形成しています。たとえば:
- コップ → 透明感を重視した撮影
- 調理器具 → 使用シーンを必ず1カット入れる
- スマホ関連 → 清潔感あるミニマル構図
売れ筋上位の写真を参考にしながら、同じ土俵で戦える見せ方を組み立てることが大切です。
4. レタッチ(編集)の注意点:やりすぎ加工は絶対NG

Amazonでは、過度な加工は規約違反の可能性があります。
① 商品の形状や機能を変える加工は禁止
- 傷を消す
- 色味を整える
などの補正はOKですが、 - パッケージの文言を消す
- 実物とは違う色にする
- サイズを変える
といった“商品改変”はNG。
② 白背景は必ずRGB255で統一
白が揃っていないと一覧で不揃いに見えるため、ブランドの信頼感にも影響します。
③ ノイズ除去のやりすぎに注意
ツルッとしたノイズレス写真はAmazonでは不自然に見られます。素材感が消えると「実物との差」が出てしまう原因に。
5. データ管理・アップロードの注意点
① 推奨解像度:長辺2000px以上
Amazonのズーム機能を活かすには最低2000px以上が必要。
② JPEG形式が最適
PNGは容量が大きく、読み込みが遅くなり逆効果。
③ ファイル名にはSEO対策を
例:silicone_spatula_kitchen_main.jpg
④ 画像順序は“読みやすさの設計”が鍵
ただ並べるのではなく、理解の流れ=購入までの導線 を意識して配置することが重要です。
まとめ:Amazonの商品写真は「規約遵守 × 情報設計」で売上が変わる
Amazonの商品写真は、美しさだけではなく「ルールの遵守」「情報の分かりやすさ」「実物の正確な再現性」が重視されます。特にメイン画像は売上を左右する最重要ポイント。サブ画像も、伝える順番の設計次第でCVRが大きく変わります。正しいステップで撮影・編集・構成を行うことで、コンバージョン率を改善しましょう。

名古屋の飲食業界で商品開発や販促に15年携わる。現在はスイーツECを展開しつつ、飲食・EC向けに撮影を通じたビジュアルマーケティングを支援。
食と空間の魅力を引き出すためのブランディングや販促のヒントを発信中。
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