なぜ暖色系の料理写真は食欲をそそるのか?|SNSで反応を得るための実践テクニック
こんにちは。
飲食店経営者やSNS担当者の方なら、毎日のように料理写真を撮影・投稿していることでしょう。しかし、「なぜかいつも思ったような反応がない…」とお悩みではありませんか?
実は料理写真の反応を左右する重要な要素の一つに「光の色温度」があります。今回は、Instagramで実施した「どちらの写真がより食欲をそそるか?」というアンケート結果をもとに、お客様の心理に響く料理写真の撮り方を解説します。
このブログ記事では以下のことがわかります:
- なぜ暖色系の光で撮影した料理写真は集客効果が高いのか
- 「食欲をそそる写真」と「そうでない写真」の決定的な違い
- 明日から使える!店舗スタッフでも簡単に実践できる撮影テクニック
目次
🍴 驚きのアンケート結果:A=74%、B=26%の差はなぜ生まれたのか?
Instagram上で実施したアンケートでは、同じ料理を異なる光の下で撮影した2枚の写真を比較しました。被写体はフレンチトーストにイチゴとベリーを添えたもので、唯一の違いはライティング(光の色味)だけです。
- Aの写真:暖かいオレンジ系の光(いわゆる暖色)
- Bの写真:クールな青白い光(寒色系)


結果は驚くべきものでした:
- A:74%(「食欲が湧く」と感じた人の割合)
- B:26%
この約3倍の差が示すのは、料理写真において光の色味が消費者心理に与える影響の大きさです。飲食店のSNSマーケティングにおいて見逃せないポイントと言えるでしょう。
👁️ プロの視点から見る写真の印象分析
それぞれの写真から受ける印象を言語化してみましょう。これはお客様が無意識に感じている感覚を明確にするプロセスです。
【Aの印象(暖色系)】
- あたたかそう
- ふんわりしていて甘い香りがしそう
- おうちの朝ごはんみたいな安心感
- 食べたくなる
【Bの印象(寒色系)】
- スタイリッシュ
- 少しクールで都会的なカフェっぽさ
- 見た目はキレイだけど、ちょっと”冷たそう”
- 食べたいというより”眺めたい”かも
このように、被写体は同じでも、色温度によって「印象」や「感情」が大きく変化しています。この違いがSNSでの反応率、そして最終的には来店意欲に直結するのです。

🟠 飲食店マーケティングに役立つ「色温度」の基礎知識
料理写真における「色温度」について整理しておきましょう。専門的な知識がなくても、この基本を押さえるだけで写真の質が格段に向上します。
- 色温度が低い(=暖色) → 赤みがかった、夕焼けや白熱電球のような光
- 色温度が高い(=寒色) → 青白い、曇り空や蛍光灯のような光
Aは色温度が低く、Bは高いという違いだけで、画面の中の「現実感」や「温度感」にこれほどの差が出たのです。この知識は店舗の照明計画やメニュー写真の撮影時にも活用できます。
💡 お客様の声から見える「食欲」と「視覚」の関係
アンケートのコメント欄には、貴重な消費者インサイトが隠されていました。一部を抜粋してご紹介します。
「Aはおいしそう。湯気まで見えてきそうでした」
「Bの方が写真としてはキレイ。でも食べたいのはA」
「青い光だと少し冷たく感じて、おいしさより静けさを感じる」
これらの声は、まさに人の感情や購買意欲が”光の色”によって動かされている証拠です。飲食店のSNSマーケティングにおいて、この心理効果を活用しない手はありません。
🧠 科学的に実証:なぜ「暖色=おいしそう」と感じるのか?
この現象は心理学・色彩学の分野でも実証されている事実です。飲食店経営者として知っておくべき重要なポイントを解説します。
- 赤やオレンジといった暖色は、生理的に”食欲を刺激する色”として機能している
- 焼き色・照り・ツヤといった「美味しさの視覚情報」は、暖色でより自然に引き立つ
- 消費者は過去の記憶(=家庭の食卓、温かい食事など)と光を無意識に結びつけている
つまり「暖色が美味しそうに見える」のは、偶然ではなく、人間の記憶や感情のしくみと結びついた自然な反応なのです。これを理解することで、より効果的なビジュアルマーケティングが可能になります。

📊 飲食店SNS担当者必見!写真AとBの印象比較表
項目 | A(暖色) | B(寒色) |
---|---|---|
感じる温度感 | あたたかい | ひんやり |
雰囲気 | 家庭的・安心感 | クール・都会的 |
食欲 | 湧きやすい | 湧きにくい |
写真の印象 | 柔らかく自然 | シャープで洗練 |
喚起される感情 | 食べたい・ほっとする | 眺めたい・静か |
店舗での実践ポイント
料理写真を撮影する際は、自然光か電球色の照明を使用しましょう。蛍光灯やLEDの青白い光は避け、必要に応じてスマホの「色温度調整」機能を活用することをおすすめします。
✍️ まとめ|「おいしそう」には科学的な理由がある
私たちは普段、SNSで何気なく料理写真を目にし、「これ美味しそう!」と感じています。でもその「美味しそう」には、実は光・色・感情の連動という、見えない仕掛けがあるのです。
飲食店のマーケティング担当者として、この「なぜ食欲が湧くのか?」のメカニズムを理解し活用することで、投稿写真の反応率を大きく向上させることができるでしょう。
次回のPart 2では、この”色と食欲の関係”を、さらに実践的な撮影テクニックとともに掘り下げていきます。引き続き、ぜひご覧ください!

名古屋の飲食業界で商品開発や販促に15年携わる。現在はスイーツECを展開しつつ、飲食・EC向けに撮影を通じたビジュアルマーケティングを支援。
食と空間の魅力を引き出すためのブランディングや販促のヒントを発信中。